広島焼きは昭和初期から親しまれてきた「一銭洋食」がルーツとされています。
「一銭洋食」とは水で溶かした小麦粉を薄く広げてネギやとろろ昆布などを乗せて焼き、
折りたたんでソースを塗っただけのシンプルな駄菓子です。
戦後、焼け野原となり 食べ物が不足していた広島で、
米進駐軍から配給される小麦粉を使っててっとり早く 作ることができた
一銭洋食」が、庶民のお腹を満たしてくれたのです。
この頃から高価なネギの変わりに安価でボリュームのあるキャベツが入れられるようになり、
その後、中華麺、豚肉、卵などが加えられ、
現在食べられているあの独特な スタイルの広島焼きに進化していきました。
尚、イカ天などのトッピングが ポピュラーになったのはつい最近のことです。
大阪のお好み焼きと広島焼きは、同じ「お好み焼き」であり見た目は似ていますが、
前者は「混ぜ焼き」、後者は「重ね焼き」と、構造そのものが異なっています。
その他にもキャベツの切り方、麺やもやしの有無、使用する鉄板の厚さや温度など異なる点が多くあります。
中でも大きな違いは「こだわりのポイント」にあるのではないでしょうか。
「生地」にこだわることでその店の特徴を出す大阪のお好み焼きに対して、広島焼きは「焼き」にこだわることで その店の技を表現します。
鉄板温度の使い分け方、野菜の蒸らし方、麺の炒め方など、 鉄板の上での細やかな動きが味を決めていくのです。
このように両者は同じ「お好み焼き」でありながら 「違う食べ物」と言ってもいいのかもしれません。でも、どちらも間違いなく「おいしい!!」という点では同じです。
当店ではこの二つ「お好み焼き」を提供しております。ぜひ食べ比べてみられてはいかがでしょうか。
ジューシーに蒸されたたっぷりのキャベツに香り豊かなもやし、
カリッカリの豚肉にモチモチ食感の生麺、
これを上下からやさしく包み込むのは卵と薄生地。
そしてとどめは広島焼き独特の・・甘めのソーース!!
ジュージュー焼きたてをテコでカコカコ切って口に運べば、
ハフハフ、ホゴホゴ、いろいろな味や食感がほぐれて絡み合い、
お口の中がお祭り騒ぎ!
そして熱さと感動で目に涙が浮かんでくるのです。
メインの具材に加え、削り粉、天かす、青のりなども混ざりあった
複雑な風味が鼻から抜けていき、食べ終わった後も舌の奥に旨味が
しっかり残り続けます。
ふーーっ、お腹も気持ちも、言葉にできない「シアワセ」でいっぱい。
こりゃいけん、また明日も食べとうなってきたわぁ~!